技―WAZA―
鈴木愛の強さはパターの脱セオリー
練習量に裏打ち、まっすぐ打たない技術
朝日新聞デジタル
動画提供:朝日新聞デジタル ヘッドを真っすぐに引き、真っすぐ打つのがパターのセオリー。鈴木愛(25)は違う。体の内側に引いてから球をとらえ、右斜め前に押し出す。「インサイドアウト」と呼ばれるフォームだ。 「しっかり球をつかまえて打つので、真っすぐ打つと左に出てしまう。右に押し出すと、ちょうどいい真っすぐの回転で進む」。 カップ周辺の芝は多くの選手に踏まれ、荒れている。「順回転であればあるほど、最後に切れない。カップの縁にけられることも少ない」。独特の軌道が力強さを生む。それは、ゴルフと出あった小学5年からの癖だ。当時のコーチはあえて直さず個性を生かしてくれた。「長所を伸ばしてもらえた」。運にも恵まれた。 通算16勝を誇るパットの名手。うまさを示す指標の一つ、平均パット数(パーオンホール)は2016、18、19年とトップだ。昨季は7勝を挙げて、2年ぶりに賞金女王(1億6018万円)に返り咲いた。技術は練習に裏打ちされている。原点は、市販の2メートルのパターマット。小学生の頃から練習場に持ち込み、100球連続で入るまで打ち続けた。
プロ野球選手と自主トレも
プロになってからも、練習の虫は変わらない。シーズン中はラウンド後、日が暮れるまでパターを握る。長い棒を両脇に挟んだり、テイクバックせずに打ったり。工夫を凝らし、体全体で球を押し出す動きを体に覚え込ませる。納得がいくまで帰らない。「あれだけうまいのに一番練習している」。元賞金女王の解説者、村口史子さんの評だ。 鍛え上げた肉体も下支えになっている。オフはプロ野球選手と自主トレに励むことも。「練習内容を知られるのが好きじゃない」。同業の女子選手とは群れない。ルーティンへのこだわりは安定感を増すためだ。素振りを3回、深呼吸。へその下に力を入れ、ひざはほとんど曲げない。構えたら最後、何も考えない。 「雑念が一番良くない」 東京五輪日本代表の服部道子コーチは「大きい筋肉を動かし、両肩と手を結んだ三角形を使って、重く、転がりのいい球を打てる。カップをオーバーしても次の2メートルのパットを決めきれるから、思い切り攻められる。ここぞというところで集中力を出せる。心技体の強さがある」と信頼する。
五輪代表は、世界ランクを基にした6月の五輪ランクで決まる。15位以内に入れば各国・地域から4人まで出られる。鈴木の五輪ランクは4位の畑岡奈紗(21)、11位の渋野日向子(21)に続き、13位。「五輪に出られるチャンスは、もしかしたら人生最後。勢いがあるうちに出て、メダルを取りたい」 渋野が昨夏の全英女子オープンを制した時、多くの選手が祝福の言葉を贈る中、鈴木は「うらやましいけれど、それより悔しい気持ちが100倍上回っている」と率直に言った。4年に1度の大舞台は、悔しさを晴らせる舞台の一つでもある。 どっしりした下半身は微動だにしない。内から外へ。ヘッドの軌道もぶれない。好調時の鈴木はいつだってそうだ。直径43ミリほどの球は乾いた音を残して狙い通りに転がり、直径108ミリのカップに吸い込まれる。その先に五輪の歓喜が見える。(木村健一、写真=長島一浩) ※本記事は朝日新聞デジタル『WAZA』からの転載です。掲載内容は朝日新聞デジタルで掲載した当時(2020年2月22日)のものです。
鈴木愛(すずき・あい)
1994年生まれ、徳島県出身。小学5年でゴルフを始め、中学3年で四国女子アマ優勝。鳥取・倉吉北高卒業後の2013年、プロテストに合格。14年の日本女子プロ選手権を20歳で制し、ツアー初優勝を飾る。17、19年の賞金女王。ツアー通算16勝、生涯獲得賞金は6億8274万円。
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May 08, 2020 at 08:45AM
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