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Monday, April 27, 2020

持ち味は「腕の振りとまっすぐ」 今秋注目のドラフト候補、秋田出身の投手・慶應義塾大佐藤宏樹の成長(4years.) - Yahoo!ニュース

新型コロナウイルスの感染拡大で、大学野球の春のリーグ戦は全国的に開幕が遅れています。晴れ舞台を待ちわびる選手たちの中から、この秋のドラフト候補を紹介します。「僕のよさは腕の振りとまっすぐ。この二つが兼ね備わってこそ変化球が生きてきます」。慶應義塾大の佐藤宏樹(秋田・大館鳳鳴)は、左ピッチャーとしての自分をこう表現します。

1年生の秋に最優秀防御率のタイトル

慶應の野球部が導入しているボールの回転数や変化量を測定する機器「ラブソード」で測ると、佐藤のストレートの回転数は慶應投手陣トップクラスの2600~2700回転(慶應での平均は2300~2400回転)。ボールのホップ成分が高く、伸びるストレートが武器だ。

秋田県立大館鳳鳴高時代は甲子園には縁がなかったが、慶應では1年生の春からベンチ入り。リリーフでリーグ戦5試合に投げた。1年生の秋の途中からは先発を任されて3勝。防御率1.03で最優秀防御率のタイトルをとり、一躍脚光を浴びる存在となった。「不安な気持ちは一切なく、投げてて楽しかったですね。いま思うと根拠のない自信がありました。気づいたらそうなってた感じです」と佐藤は当時を振り返る。

痛みのあった左ひじが2年生で悪化

このまま順調にいくかと思われた2年生のとき、アクシデントが佐藤を襲う。1年生の秋ごろから痛みがあった左ひじの状態が悪化し、春のリーグ戦後には注射を用いたPRP療法を試した。その後のリハビリで復帰を目指したが、「投げてないことが当たり前になってしまった」と、その当時の心境を語る。

「ただ漠然とリハビリをしてました。みんながリーグ戦で活躍してる中、自分がどんどん遠ざかっていくような感じです。『どんな感じで投げてたんだっけ?』と思うようになって、野球がどんどん楽しくなくなっていきましたね」

3年生でリーグ戦復帰、試行錯誤の末に光

「1年生のときのように投げたい」。そう心で思っていても、体がついていかない。次第に悪循環に陥ってしまっていた。「投げ方を忘れてしまい、大学生活でもっとも悩まされた時期でしたね」。振り返る佐藤の表情が曇った。ようやく3年生の春に再びリーグ戦で登板。最速151kmをマークしたが、自分のイメージとは程遠いものだった。

「まったく感覚は戻らないし、体も前とは違う。どうしたらいいのか分からない状態でした。確かに球速は出てましたけど、球の質が1年生のときとは違うんですよね。それ以前は140km前半でもバッターが振り遅れたり手が出なかったりしましたけど、あのころは150kmを出しても初球から当てられたり、引っ張られたりしてました。回転数やホップ成分の数値が下がってるんだと感じました」

投球フォームを変えても、また分からなくなってしまう。試行錯誤が続く中、出した答えは「さらに進化するために、1年生の秋のフォームを捨てる」というものだった。フォームを一から作り直し、日々のトレーニングに励んだ。そうすると、徐々に形が見え、光が差し込み始めた。「セットに入ったとき、グラブを体に近づけリラックスする。そして体の近くで投げる意識ですね」と、新しい取り組みの意図を説明する。

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