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Monday, September 14, 2020

黒人犠牲者の名前入りマスク着用、差別に抗議…女王・大坂「重要なのは人々が議論始めること」 - 読売新聞

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 【ニューヨーク=福井浩介】テニスの全米オープン女子シングルスで12日、大坂なおみ選手(22)が2年ぶりの優勝を果たした。今大会は1回戦から、過去に白人警官などに殺害された黒人の名前が書かれたマスクを入退場の際などに着用したことが話題になった。決勝までの7試合で、男女7人の名前を示し、人種差別について問題提起を続けた。

 決勝のマスクには、2014年にオハイオ州で警官に射殺されたタミル・ライス君(当時12歳)の名前があった。表彰式でインタビュアーからマスクに込めたメッセージを問われ、大坂選手は「あなたが受けたメッセージは何でしたか? 重要なのは、人々が議論を始めること」と説明した。

 今大会でマスクを着用したのは、注目が集まる舞台を利用し、世界中に人種差別撤廃を訴えたかったからだ。「名前を知らなくても、インターネットで検索すればどんな悲劇だったかわかる。差別は米国だけの問題ではない」。連日、そう主張した。

 大会前も積極的にこの問題にかかわってきた。5月に黒人男性が警察官に首を圧迫されて死亡した事件後からツイッターを更新したり、デモに参加したり。直前の大会は、準決勝を前に「私はアスリートである前に一人の黒人女性。テニスを見てもらうより大事な問題がある」と抗議の棄権を表明した。

 こうした行動について、大坂選手を指導するウィム・フィセッテコーチは「コート内でも模範にならなければとの思いが多くのエネルギーを与えていた」と指摘。大坂選手自身も「コート外の出来事が私を強く押してくれた」と言い、プレーにも好影響を与えていたと明かした。

 2年前はユーモラスな発言で世界を魅了し、今回は社会問題を訴えながら頂点に立った。大会前にはSNSでスポーツに政治を持ち込むなという意見もあったが、大会後の海外メディアは好意的に報じている。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「社会正義を呼びかけながらタイトル獲得」との見出しで、「間違いなくコートの内外で主張を通した」と報道。英紙ガーディアン(同)も「彼女は試合と同じくらい強力なメッセージを伝えた」と紹介した。

 全米オープン優勝から一夜明けた13日、大坂選手は色鮮やかな衣装に身を包み、トロフィーを手に、会場で記念撮影に臨んだ。大坂選手はツイッターで、「私の祖先に感謝したい。彼らの血が流れていることを思うたび、負けることはできないと思い出させてくれたから」とつづった。

 大坂なおみ選手の優勝を受け、祖父大坂鉄夫さん(75)は13日朝、北海道根室市の自宅前で報道陣の取材に応じ、「びっくりして何をしゃべったらいいのか分からない。本当によかった」と喜びを語った。

 見事な逆転勝利に万歳したという。人種差別に抗議して大坂選手が着用したマスクについては、「過激な人もいるので心配したけれども、偉いなあ、勇気があるなあと誇りに思う」と孫娘の成長に目を細めた。

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